スピ系男子歯科医の山田和宏先生。医療に携わる者として、人々の「健康のお世話係」となることを決め、「ゲノムドクター」になった話を「予防」という観点から数回に分けて書き綴ってくれます。病気と自分たちとの向き合い方についても考えさせられる内容です。今回はその2回目。「ゲノムドクターって何?」という方も、ぜひお読みください。其の1はこちら。
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予防の重要性は現代医学の発展とともに、誰が言うでもなく大切だという意識はすでに広く浸透していると思う。薬や治療方法が確立していない昔の方が予防は大切だったはずだが、予防という概念がなければ、「予め(あらかじめ)防ぐ」発想も生まれない。唾を付けておけば治るor治らないから切り落とすみたいな、ゼロヒャクの考え方だったり、治す術がないから神に祈ったり呪文を使ったり、とにかく治るか治らないかの世界だったと推測される。
予防という概念の前に、公衆衛生という言葉がある。そもそも「衛生」の概念は、紀元前2000年くらいの大昔に生まれたらしいが、公衆衛生という言葉が社会的に定義されたのは、モーツアルトが生きていた1700年代後半のこと。日本で体系だったものが作られたのはそれからさらに100年経った1800年代後半となっている。「予防医学」となると1950年くらいに定義されているから、人類はいかに「治療」に真摯に向き合ってきたかがわかる。
「治療」も大事である。西洋医学を否定しまくる怖い人もいるが、事故で大量出血したとか、緊急時の医療はないと困るし、薬によって多くの人が救われた時代があったのも事実だと思う。(いやそうじゃないんだ、隠された事実があって情報は操作されているんだという意見は面白くて好きだけど、それはちょっと横に置いておく…)
で、ここまで治療の技術が進んだので、現代の我々が今までよりもっともっと大切にし、ちゃんと考えないといけないのが「予防」だと私は考える。
なぜか。それは、予防自体も進化していて、最先端の予防は、治療をも含んでいるからだ。つまり従来の予防という概念を大切にしながら、実情として治ってしまっているからだ作りがこれからの「新・予防」と私は定義する。別の言い方をすると、気づかないうちにおかしくなっていても、きちんと治せるポテンシャルを持ち合わせていて、なおかつそのポテンシャルを発揮できる状態を維持すること。どこかで聞いたことがあるはずだ。あなたの病気を治すのは医者でもなく薬でもない。あなた自身だと。
「あれ?それってつまり昔からある予防のことじゃない?」と思った方は鋭い! しかし、おそらく多くの人が思っている予防とは、病気にならない、または、罹らない(かからない)手法のことのはずだ。言われてみるとわかりきったことかもしれないが、私達のからだは常に外敵(時には自分自身との闘いのこともある)からの攻撃に対抗し、迎撃し、症状として何かを感じる前に封じ込めに成功し、何もなかったかのように過ごせるという素晴らしい機能を本来持っている。極端な言い方をすると、私達は常に健康と病気のハザマを行ったり来たりしているのだ。1ミリでもウイルスや細菌に攻め込まれて、すぐ察知して「感じて」しまったとしたら…。一日中痛かったり、だるかったり、元気になったりの繰り返しで、日常生活なんて何もできないことだろう。では症状がない状態を「罹っていない」というのか。残念なことに、沈黙の臓器なるものも存在し、他にも症状がないからといって放ったらかしにしてしまった結果、ドカンと大きな症状が出てなかなか治癒に向かえない重い状態になっていることもある。だからこそ、単に従来の「罹らない」を超えて、罹っていても自然と治せる力を養わないといけないと改めて感じる。
だからこそ、私達ゲノムドクターは、2013年に生み出された。
〜其の3へ続く
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書いた人/山田和宏
医療法人社団健生会の理事長/歯科医師 一般社団法人臨床ゲノム医療学会/ゲノムドクター 一般社団法人GenomD予防医学研究所/所長
歯科医師として活動する傍ら、健康長寿の方法を伝えるゲノムドクターとしても活躍。札幌市内に遺伝子調律サロン「Genom.D」を開設。量子科学やバイオレゾナンス療法を用いた「遺伝子レベルで若返る」サービスを提供。2021年から「睡眠LABO」の形でもサービスを提供。https://www.genom-d.com/
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