リレーエッセイ「into one」  vol.1 山田和宏さん(ゲノムドクター、歯科医師)

リレーエッセイ「into one」

サステナブルな生き方や暮らしを実践している人、
本気で世の中のこと、地球のことを考えている人など…、
WEBマガジンLINK!のコンセプトに共感する方たちが
自分の想いを好きに綴る
とことん自由なリレーエッセイです。
記念すべき1回目は、コーナータイトルの名付け親でもある
ゲノムドクター&歯科医師の山田和宏さんです。

「最後は一つに繋がる~into one」を目指す。1万人の船、出航を前に想うこと

いよいよ船が出航します!

 私は約10年前に歯科界の本道から完全に外れてしまった。2年に1度の保険改定はあるものの根本は変わっていないだろう、おそらく50年以上続いているこのおかしな保険制度の中で、私は私の限界にぶち当たってしまった。今でこそ、そう振り返れるのだが、当時はそのような状態に陥っていることさえ気づかずにいた。地域柄、老若男女に対応した医院のため、定期検診の重要性を訴え、その人数は年々増加していたが、やはり歯科の立ち位置は「痛くなったら行く病院。できれば行きたくない病院。むしろ嫌いな病院第1位」の座を譲ることはできないでいる。木を見て森を見ずに気づいて対応できれば、それは変化であり進化でありポジティブだ。そうしたいのに保険制度という泥沼にどっぷりハマり、むしろ印籠のように最強の盾として振りかざす自分に嫌気が差してきたときに転機が訪れる。

 それは医者らしからぬ幼稚な願いだった。「簡単に健康が手に入る方法があればいいのにな…」。確かに今、文字にして見ても馬鹿げている。西洋医学の最前線で、日々微生物やその他の目に見えない敵と闘いながら、患者を主体にして医療や健康ということを考えたときに、幼稚でありながらも切実な想いとしてふっと湧いてきた。

 ここで人生最大級の引き寄せの法則を発動させる。今まで大学で学んだことや、臨床に出てから独自に学んできた新しい治療法とは全く別のアプローチで、「健康」に寄与する手段がアメリカ発であると知り、論文ベースで調べた結果、これが本当なら健康や予防の世界を大きく進化させる、いや、ひっくり返すことだと直感的に理解し、開発者に会いにアメリカに飛んで確かめてきた。こう書くと、自ら道を切り開いた風でかっこよく聞こえるが、実は昔から今に至るまでずっと私は何かに引っ張られ、何かに乗せられ、さまざまな存在に守られ、ここに辿り着いた感が強い。実力の世界で生きるより、運の世界で生きていくことを選んだ私にとって、その方が居心地がよくてありがたい話ではあるのだが。

 真の健康を手にする別のアプローチの詳細は、また機会をいただければお話させていただくとして、カテゴリーとしては遺伝子、エピゲノム、ニュートリゲノミクス、量子、波動という世界の手法である。さらに概念として、「補給」ではなく「生成」という理論を実装する手法だった。もちろん最先端の科学の話なのだが、隠された歴史というものもあるようだ。医療の闇については、私見となりエビデンスが乏しいためここでは語れない話ではあるが、一つだけ断言できることがある。それは、命を預かる医療や健康にまつわる話であっても、必ずビジネスがベースに存在するということだ。ここで話題にするまでもなく当たり前すぎる話なのだが、多くの人がそう気づいていないか、または気付かされないように仕組まれている。

 おそらくここ数年のコロナ禍により、多少なりともそこに気づいた人が増えてきているのではないだろうか。そして、私が従来の歯医者の形に違和感と限界を感じたように、世の中もこのままではいけないと感じた人が増え、声をあげだしているのではないだろうか。今はまだ小さな声かもしれないし、支配者層にとっては厄介な存在かもしれない。芽を摘まれないよう、想いだけでなく、やはり私達もビジネスを武器に世界に対抗していかなければならない。1万人の船はこの荒波に立ち向かう小さくて大きな船だ。既存の固定概念を打ち砕く意思を持ったクルーが一人でも増えることを望む。が、しかしあくまでも最終目的は対立や抗争ではなく、「想いは一つ」「最後は一つに繋がる」であり、「into one」を目標にこの船を漕いでいきたいと思う。

 流され、動かされてきた人生だったが、ようやく自らオールを持ち、大海原に出る時がきたようだ。一人ひとり違う思想、仕事、人生を持つクルーが「LINK」し、補い合いながらも「各自が作り出す」ことを芯に進めば、どんな嵐も怖くないはずだ。

今回のエッセイスト/山田和宏
医)社団健生会理事長。歯科医師として20年活動し、2019年に医療機関と別にGenom.Dという若返りや健康長寿の実現を目指した健康サロンを開設。量子の分野に着目し、2021年から「睡眠LABO」の形でサービスを提供。https://www.genom-d.com/


山田和宏先生

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