10月7日、8日、札幌で「INAZOマルシェ」を開催。実行委員の2人に話を聞きました!

新渡戸稲造は、明治から昭和初期に教育者、農政学者、そして国際人として活躍した人物。その功績は国内だけでなく、海外でも高く評価されています。そして、環境、人権、ジェンダー…とさまざまな課題が山積みの昨今、新渡戸のイズムや取り組んできたことが改めて注目されています。そんな新渡戸の功績を再認識し、意見を交わし、次世代へバトンを渡していこうと企画されたのが、北海道や東北で開催された「稲造サミット」でした。昨年11月には5回目の稲造サミットが札幌で開催され、幅広い年代が参加。環境問題や地域課題についてそれぞれの立場から意見を交わしました。

そのサミットがきっかけとなり、発案されたのがこの秋に開催される「INAZOマルシェ」です。市⺠団体、企業、⾏政、⼤学などさまざまな団体や人々が集い、SDGsの学びと活動を発信するとともに、その場から新たな繋がりが生まれたらと考えているそう。

下元さんと久保田さん

同マルシェを運営するメインメンバーは、20代の3人。今回は、そのうち実行委員長を務める下元蓮大(れお)さんと、副委員長の久保田華梨(かりん)さんにマルシェについてお話を伺いました。

下元さんは札幌の大学生ですが、現在は休学中。このマルシェの実行委員のほか、農業体験を通じて未来について考える「ちきゅう留学」の運営にも携わっています。「最初は公務員になるつもりで大学に通っていましたが、3年生のときにもっと外を見てみたいと思い、休学しました。環境経済学を学んでいたこともあって、ビーチクリーンに参加したり、農業体験をしたり、いろいろ動いている中で、『稲造サミット』の実行委員長だった宮澤洋子さんと出会いました。そして、若い人にバトンをということで、今回実行委員長という大役を任せていただくことになりました」と話します。

マルシェに関しては春先から少しずつ動きはじめ、6月から本格始動。「サミットから関わっていらっしゃる方たちがサポートしてくださって、一緒にマルシェの内容などを詰めていき、いろいろな企業や団体にも繋いでもらい、手探りしながら少しずつ形を整えていきました。でも、若手が僕1人だったので、同年代の仲間が欲しいなと探していたときに、たまたま華梨を紹介され、すぐに実行委員のメンバーになってもらいました」と下元さん。

久保田さんは札幌の短大を卒業後、附属の保育専攻科へ進み、より深く保育について学んでいる学生さん。中学生の頃からなりたかった幼稚園教諭の夢を叶えるために頑張っているほか、音楽サークルで演奏会の企画や運営を担当するなど行動的な女の子です。「私の親友と蓮大が、昔同じアルバイト先だったので前から知ってはいましたが、もう2年近く会っていませんでした。彼と親友がばったり会った際、マルシェを一緒にやってくれる人を探しているなら私が適任だと親友が推してくれて…」と久保田さん。下元さんも「華梨のインスタに、経営アドバイザーなどをされている方のセミナーに出たことがアップされていて、僕もその方のセミナーに参加したことがあったので、これはなにか繋がるものがあるかも!とピンときて、すぐに連絡をしました」と話します。卒業するまでにいろいろなことを見て、聞いて、体験してみたいと考えていた久保田さんは、「これは自分にとっていいチャンスだなと思って、すぐにやります!と即答しました」と笑います。

もう1人の副委員長である菅原康平さんとは、下元さんがプロギングという、ジョギングしながらごみ拾いをするイベントに参加した際に知り合い、声をかけてチームに入ってもらうことに。菅原さんは、普段は江別市の地域おこし協力隊として仕事をしているそうです。

奥に映っているのが菅原さん

このように若いメンバーが実行委員として動いている「INAZOマルシェ」。10月7日、8日の2日間開催されます。会場は、北海道大学FMI(Food & Medical Innovation)国際拠点(札幌市北区北21条西11丁目)。1階のホワイエでは、メインのマルシェを行います。「今のところ20前後の出店を予定しています。洞爺湖の自然栽培の佐々木ファームや、札幌の銘酒の裕多加、ベジウェイといった野菜、食品系から、テックサプライやセントモニカなど地球や体にやさしい商品を販売する店が多彩に並びます」と下元さん。

1階の多目的ホールでは、バイオリンと歌のオープニングアクトのほか、講演会、映画上映、トークセッションなどを企画。初日の講演会には、世界唯一のケミカルリサイクル技術を持つJEPLAN(旧・日本環境設計)の岩元美智彦会長が登壇し、釧路の蝦名大也市長とトークセッションも行います。2日目には、DXを超えるHX(HAPPY TRANSFORMATION®)を推進するエンジニアである時津宝生さんの講演会などが行われます。また、映画は、初日に「マイクロプラスチック・ストーリー ぼくらが作る2050年」、2日目に「君の根は。大地再生に挑む人びと」と「氷の花火 山口小夜子」が上映されます。「君の根は」の上映後には、北海道で大地再生農業に取り組む方たちによるトークセッションもあります。

「2階にはイートインスペースを用意して、カフェのように利用していただく予定です。体や環境にやさしいお弁当などの販売も行います」と下元さん。マルシェといい、講演会や映画といい、とても賑やかになりそうです。

イベントの詳細に関しては近々ホームページがオープンする予定。さらに、現在アプリも制作中で、予定では9月15日にオープンするそう。アプリについてはまた後日お伝えできればと思います。

最後に2人にマルシェへの意気込みやメッセージをもらいました。「来場していただいた方に新しい出会いや気づきを得てもらえたらと思っています。SDGsに積極的に取り組む団体や、環境問題に意識が向いている企業などが集まるので、それぞれの想いが来場者の方たちに伝わったら嬉しいです。そのためにもしっかり準備を進めたいと思います」と久保田さん。下元さんも「このマルシェが、みんなにとってより良い未来を創るための第一歩になればと考えています。僕たちも運営として参加することで、自分たちの未来への可能性、新たな繋がりを見出していけたらと思っています」と話してくれました。

<マルシェ概要>
■名称/みらいを創る2日間 INAZOマルシェ ~SDGs 2Days~
■日時/ 2023年10月7日(土)・8日(日) 10:00~17:00
■会場/北海道大学FMI(Food & Medical Innovation)国際拠点
■主催/特定非営利活動法人SDGs村・北海道(理事長/宮澤洋子)
■実施内容 ◇マルシェ ◇カフェ ◇オープニングアクト ◇講演会&トークセッション ◇映画上映 ◇映画上映&トークセッション他
■協賛/ (公財)秋山記念生命科学振興財団、 (株)テックサプライ 他
■問い合わせ/090-2811-7378(宮澤) sdgshokkaido.miyazawa@gmail.com

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    • 柳田ふみ

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